以前紹介した、高崎市下室田町の室田山長年寺。
(「長野氏累代の墓 -長年寺-」参照)

前回、榛名湖畔の御沼オカミ神社の記事で木部姫伝説を紹介したが、ここにも木部姫伝説が残っている。(「木部姫伝説 -御沼オカミ神社-」参照)

長年寺2 (1)
長年寺2 (2)
この井戸は、木部姫が箕輪城から落ち延び榛名山(榛名湖)方面へ向かう際、手足を洗ったといわれるもの。「手洗いの井戸」「化粧の井戸」などと呼ばれている。(榛名山への参拝バージョンでも同様)

長年寺2 (3)
さらに、後日譚あり。
ある雨の晩、住職のところへ美しい娘が訪ねて来て、「血脈譜(家系図)が欲しい」と泣きながら願った。だが住職は、襖に映る女の影が蛇の姿だっためこれを拒んだ。すると女は、自分は木部姫であること、榛名湖に入り大蛇になったなどと素性を明かした。そのため住職が血脈譜を渡した。女は喜び、厚く礼を言って立ち去ったという。後に寺の境内に、清水が湧出したという。これが、この井戸は、榛名湖とつながっているという伝説になった。

さらに、木部姫の母(長野業正の娘)が、榛名山へ参拝した折、龍神の子を懐妊し、それが木部姫だというのもある。そうすると、大蛇になった木部姫が、自分のルーツを確認するために血脈譜を欲しがったとつながる。

だったら、こちらのバージョンでも木部姫は龍になった方がすっきりするけど・・・。

まとめると、
木部姫=長野業正の娘→龍、木部姫=長野業正の娘の娘→大蛇というパターン。
どちらも腰元は蟹。
大蛇バージョンでは血脈譜入手→実は業正の娘が龍神の子を宿す。これが木部姫。

榛名湖にはもともと、龍神が棲むというのと大蛇が棲むという2パターンの伝説があり、これと木部姫伝説が微妙につながり、微妙に違う伝説がいくつか残ったということかな。